みなさんは投資をしていますか。投資って言うとギャンブルみたいでお金を失う怖いものというイメージが強いかも知れません。確かに投資をすることによって、損失を被ることはあります。銀行預金と違って、元本保証されている投資は殆どありません。だからと言ってパチスロや競馬競輪などと同一して、いかがわしいものとして投資を避けている人は、お金を増やすチャンスをみすみす逃してしまっています。
フランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本論』の邦訳が2014年末に日本の書店に並び、5,000円を超える分厚い学術書にもかかわらずベストセラーとなりました。本書の成功は、「なぜ豊かさを実感できないのか」「景気が良くなっていると報道されているのに、なぜ経済格差が是正されないのか」という多くの人の疑問に答えていることにあるのでしょう。
トマ・ピケティは「r > g 」という不等式を提唱しています。「r」は資本収益率、「g」は経済成長率を表し、言い換えれば「r」は金融投資によるお金の増加率、「g」は労働賃金の上昇率を表しています。ピケティは18世紀までのデータを分析し、「r」が年率5%程度の資本収益率を示すのに対し、「g」は年率1〜2%程度の収益率に過ぎないと結論付けました。つまり、働いてお金を稼ぐよりも、投資によって得られる利益の方が大きいという、額に汗して働くことを美徳とする日本人にとっては、何とも受け入れ難い事実が明らかにされたのです。世の中には、冨をもてる者はますます富み、冨を持たざる者はいくら働いても豊かになることができないという厳然たる不平等が存在するのです。
この不平等は、資産または資産運用によって得た富が、労働によって得た富よりも速く成長することを意味します。富裕層はより豊かになり、労働によってしか富を得られない人たちは相対的に貧しくなっていくのです。富裕層の資産は、その子供たちに相続され、さらに投資することで継続的に富を得ることができます。もちろん、多くの国で所得再分配政策がとられていますが、ピケティは多くの富が継承されていると主張しています。
格差は拡大しており、中産階級はいずれ消滅します。このアンバランスを是正するために、国際社会が協力して累進的な相続税や所得税を作り、タックスヘイブンへの資産流出を防ぐことがピケティの考えです。
一方でピケティはこの考えを実現することは現実的に不可能であると認めています。だから、資本主義に生きる私たちは、この「r>g」という現実と向き合わなければならないのです。
すでに大きな資産を運用し、「r」の側にいる人は問題ないでしょう。問題は資産運用をしない一般のサラリーマンにあります。シンプルな解決策は、投資を始めることです。株式や不動産、FXへの投資を始めるのです。
資源を持たない普通のサラリーマンが、一刻も早く資源を作り出し、投資することが必要です。また、給料の一部を貯金に回したり、副業で収入を積み上げることも可能です。しかし、現在の収入では資産運用のための資金を蓄えることができない人もいるでしょう。
そこでピケティ氏は、富と資産の定義を拡大する「提案」を行いました。知的資産を含むあらゆる資産を総動員し、最終的に現金に換えてマネタイズしようというものです。例えば、その人の職業、ノウハウ、人脈、知識など、その人の価値を高めるものを資産とし、その資産を利用して得た収入を「r」とすることが考えられます。これにより、現在勤めている会社の昇給率やその他の収入を増やすことができます。つまり、自分を資産と捉えれば、その資産の価値を高めることで社内の給与アップを目指すこともできるし、本業以外の収入源を持つこともできるのです。場合によっては、自分で起業して経営者になることも可能です。どのようなスタイルであれ、資産から収入を得るための第一歩を踏み出すことは重要なことです。
重要なのは、「r」をどう捉えるかです。現在大きな金融資産を持っていなくても、まずは資金源を作るか、価値ある資産を持っていると考えることができれば、個人の力ではどうにもならない格差の広がりに絶望するような事態は避けられるはずです。そのためには自ら進んで勉強をして投資を始めるしかありません。自分の生活を見直して支出の最適化を図り、生活習慣を改めて勉強の時間を捻出する必要もあります。これまで気軽に行っていた仕事終わりの飲み会を控えたり、交友関係を見直すなど、より効果的なお金の使い方を考えることができるようにしましょう。また、スキルアップのための自己投資や、将来的に起業するための準備を始めるなど、時間の使い方を変えていくこともできます。貯蓄や収入が増えれば、やがて投資に回せるだけの金融資産を持つことができる。そうすれば、最初は小さくても、簡単にお金が増えていくようになります。
一生懸命真面目に働くことはとても大切です。しかし、それだけでは十分にお金を増やしていけないことも事実です。自分が働くことでしかお金を増やせないと、何らかの理由で働くことができなくなった瞬間に人生が詰みます。また、一生雇用される側に置かれることでお金のためにやりたくない仕事をやらされたり、人生の貴重な時間を拘束されたりします。お金を増やすスキルは、よりよい人生のために必須です。その中でも最も簡単にできることが投資なのです。
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