【2023/06/23】為替市場のポイントとトレード結果（+20pips）

今日の為替市場のポイント

22日（木）、米ドル/円相場は年初来高値を急激に更新した。アジア取引開始早々、米ドル/円相場は141.62の安値まで下落したが、上昇一巡後は141.62の安値まで反発した。(5) 上記 1、2、3、4 を背景に、日米スプレッドが拡大したこと（円裁定取引の活発化を見越したもの）、(6) 米 5 月景気見通し（結果：-0.7％、予想：-0.8％）が市場予想を上回ったこと、(7) 米 5 月中古住宅販売件数（結果：-0.7％、予想：-0.8％）が市場予想を上回ったこと。

(7)米5月中古住宅販売件数（結果：430万件、予想：425万件）が市場予想を上回った、(8)パウエルFRB議長が「今年あと2回の利上げが適切」とタカ派的な発言をした、(9)ボウマンFRB総裁が「インフレを抑制するためには追加利上げが必要」とタカ派的な発言をした、(10)米利上げ。(10)ドル円は、米金利上昇によるドル買い圧力に支えられ、米国時間午後には年初来高値143.23（昨年11月10日以来、約7ヶ月半ぶりの高値）まで急伸した。同ペアは引けにかけてやや後退したものの、下値は堅く、本稿執筆時点（6月23日午前5時30分BST）では143.14近辺で推移している。

ユーロ/米ドル相場は上昇後に急落した。米国時間午前中、EUR/USD相場は、(1)欧州各国の政策金利引き上げ（スイス中央銀行、ノルウェー中央銀行、イングランド銀行）、(2)上記(1)を背景としたECBの追加金融引き締め観測、(3)欧州債券利回りの上昇に支えられ、1.1011の高値（5月8日以来1年5カ月ぶりの高値）まで上昇した。米国時間午前中には1.1011の高値（5月8日以来約1ヶ月半ぶりの高値）まで上昇した。しかし、買い一巡後は、(4)米経済指標の良好な結果、(5)米政府高官（パウエルFRB議長、ボウマンFRB総裁）のタカ派的発言、(6)米金利上昇によるドル買い圧力、(7)欧州株の伸び悩みなどが影響し、米国時間午後には安値1.0949まで反落した。同ペアは米国時間午後に安値1.0949まで後退した。同ペアは終盤にかけてやや反発したが、回復は鈍く、本稿執筆時点（6月23日午前5時30分BST）では1.0955前後で推移している。昨日、ブンデスバンクのナーゲル総裁は、金利は十分に引き上げられておらず、インフレが克服されるまで最高水準を維持する必要があるとのタカ派的なコメントを発表したが、市場の反応は限定的だった。

米ドル/円は一時143.23まで急騰し、昨年11月10日以来およそ7カ月半ぶりの高値をつけた。日足のローソク足が全てのテクニカルレベルを上回って推移していることを考えると、「一目均衡表の三役好転」、「強気の波動トレンド」、「ダウ理論の上昇トレンド」が示唆する強い買いシグナルが成立しており、1時間足や4時間足の下値足などにも複数の強い買いシグナルが点灯しているなどテクニカル面では極めて強い状況となっている。短期的には、心理的節目の145.00、11/8高値146.96、10/31高値148.86を試す展開が予想される。これらがブレイクされれば、昨年10月21日に記録した直近高値151.95がいよいよ射程圏に入る。

ファンダメンタルズ面では、(1)米FRB（パウエルFRB議長、ボウマンFRB総裁のタカ派発言）、(2)日銀（上田日銀総裁、前日の足立日銀総裁のハト派発言）の追加利上げ期待の高まり、(3)上記1、2の文脈での日米金融政策の方向性。(上記1、2における日米金融政策の方向性の違い（日米金利差拡大による円裁定取引期待の高まり）、④日本と他国の金利差拡大（豪中銀、カナダ中銀、ECBに続き、昨日はスイス中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、イングランド銀行が政策金利引き上げを決定→）。一連の要因から、米ドル／円相場は引き続き上昇する可能性が高い。以上のことから、金利差（円キャリートレードの継続）に着目して、米ドル／円の上昇を予想するのが、我々のメインシナリオである。本日は、日本の5月消費者物価指数、米国の6月PMI速報値、米国当局者（ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、マイスター・クリーブランド連銀総裁）の講演に注目したい。